就活生へ。覚悟もないのに簡単に人材業界を志望するな!元人材営業マンによる人材業界の徹底解説。知ってほしい業界の闇…
こんにちは!
今回は人材業界を志望している就職活動生や転職活動生向けに業界についてご説明できればと思います。
- 基本的なビジネスモデル
- 仕事内容は?そしてその仕事で会社から求められることは?
- 業界の行く末は?
- 「人が好き」「就職者の手助けをしたい」みたいな志望動機をお持ちの方はやめた方が良い
- 将来的に起業を考えている人に僕はあまり人材業界をお勧めしない
リクルート社の輝きにより一気に注目を浴びることになった『人材業界』。
HR(Human Resources)領域とも言われておりますね。
働いている人が生き生きしていて若くて華やかなイメージもありますね。
最近は将来的な起業も考え就職を志望する方も多いのではないでしょうか。
しかしそんな考えで就職するのは絶対にやめた方が良いです!
今回はしっかり人材業界を知った上での就職をオススメしている筆者から業界の生のお話を皆さまにお届けできればと思います。
基本的なビジネスモデル
人材業界の基本的なビジネスモデルは、
企業の人材募集(採用)から社員の育成、管理等をサポートするため自社もしくは代理販売権を持っている商材を営業し企業から報酬を得る
というものです。
商材は
- メディア広告
- 人材紹介(就職・転職エージェント等)
- 人事・採用コンサル
- 人事・採用システム(HRテック)
等が該当します。
『人事・採用コンサル』や『人事・採用システム(HRテック)』に関しては就職志望者からしたらマニアックで、かつ扱っている会社は多くないので本記事ではメインにとり使わないです。
また例外的にビズリーチの転職者の会員登録によるサブスクリプション型のビジネスモデル(定額制)も一部ではできつつあります。
ただこれは圧倒的に少数派なので、基本的には企業側の利益追究のためのBtoBの収益モデルとなっております。
なので対個人の利益追及(「就職者のために働きたい!」)みたいな考えの方はミスマッチの可能性が大きいです。
「人の夢を応援」、「みんなの明るい社会のために」みたいなキャッチコピーを人材業界のCMではよく言いますよね。
しかし就活生の皆さんは絶対誤解しないでください!
これはあくまでの媒体やエージェントの利用者を増やして法人営業をしやすくするためのBtoBの売上アップを目的とした施策なのです!
この部分の誤解が圧倒的に多いのできちんと理解してください。
仕事内容は?そしてその仕事で会社から求められることは?
前述した通り基本はBtoBの収益構造で、企業に広告を販売したり人材紹介の費用で売り上げを立てます。
なのでとにかく法人営業の割合が多いです。
これは社員数の多い企業になればなるほど、初期は基本法人営業になると考えておいてください。
そうはいってもいくつか職種があるので、それぞれ下記でご説明します。
①法人営業
何度もお伝えした通り基本的には法人営業の職種になります。
そして商材は上記でご説明した通りですが、ここでお伝えしたおきたいことは顧客の獲得方法です。
人材業界の各会社は基本的にテレアポでの顧客獲得が当たり前なのです!
なぜなら天下のリクルートですらめちゃめちゃテレアポしているからです。(大きい会社はもはやテレアポを外注しているそうですが…)
ただ多くの会社がテレアポとゴリゴリ営業スタイルを取るため、契約を取るにはある程度それに合わせる必要があります。
またこれは個人的な見解ですが、人材業界はどの会社も必死に営業をするため顧客側(クライアント側)が強くなりがちで無理な要求が多く…
結果、法人営業は顧客対応で残業が蔓延しています。
②リクルートアドバイザー(RA)、就活・転職コンサルタント
就活生や転職希望者に求人を紹介する職種がこの『リクルートアドバイザー』や『就活・転職コンサルタント』というものです。(会社によっていろんな職種名になりますが…)
人材紹介や派遣を行なっている会社にはこの職種があります。
上記行った「就活生や転職志望者向け」という面であれば、確かにこの職種が近しく人気があります。
ただここで問題になるのが会社から求められることの一つに「成約数(紹介した会社に入社した数)」があることです。
会社としては就職希望者が満足する就活ができるより、自分たちが紹介した企業に多くの希望者が入社してもらった方が売り上げが大きくなります。
なので営業ではないのですが、基本的には「月に5人の成約を作る」のようなものが評価軸に入っていたり、もしくはノルマになっていたりします。
なので「今月あと数人就職させなければ…」という考えに陥り、気がついたら「就職者のために!」みたいな考えはなくなってます。
たしかにエージェント利用者の満足度という面を考慮しサポートを行なっている会社もあるかもしれませんが、僕の知っている限りは成約の数を目的にゴリゴリしている会社が多いです。
個人の見解ですが、そちらの考えが業界のマスです。
③自社メディア運営
これは少人数な会社が多いですが、自社が運営しているサービスの利用者や満足度を高めるために広告やシステムを改善するためメディアの運営をする職種です。
『WEBマーケティング』や『エンジニア』の職種はこちらに該当します。
ただ代理店だったり外注していて職種がないケースもありますし、そもそも少数なので「WEBメディアの運営」に興味があるのであれば人材業界はあまりオススメはできません
業界の行く末は?
現状人手不足が騒がれており、人材業界はニーズが多く盛り上がっております。
しかし長期的に見て市場は縮小してくると私は考えております。
なぜなら人材と相反するIT系(特にAIなどの活用)が伸びが今後起こり、人材ニーズが低くなると考えるからです。
またフリーランス(外注化)の仕組みもこれを助長しております。
株の世界ではITの株価が上がれば人材の株価が下がるとも言われています。
二つは相反するケースが多いです。
近年では社員を持つことはリスクであるという考えすら出てきております。
会社を成長させるために社員をどんどん増やす!みたいな考えはオワコンかもしれませんね…
「人が好き」「就職者の手助けをしたい」みたいな志望動機をお持ちの方はやめた方が良い
もう前述の文章を読んでいただければお分かりだと思いますが、人材業界はゴリゴリの営業文化があり、かつ人をクライアントの会社に就職させることで利益を設けているケースが多いです。
なので仕事の考え方は個人ではなく企業のサポートをするという考えをしないといけなくなります。
「人が好き」や「就職者の手助けをしたい」みたいな考えはマッチしません。
企業の広告に惑わされないようにしてください。
将来的に起業を考えている人に僕はあまり人材業界をお勧めしない
たしかに法人営業ができ、法人の人脈が作れます。
独立者も多い業界ではあると思います。
しかし
- 法人営業先が社長になりづらい(基本人事部がメインになることが多い)
- 代理販売等の手法が被り競合が多い
- 業界的に今後縮小傾向
という部分から個人的にはいずれ起業したい方が人材業界に就職することはあまりオススメしてません。
まあリクルート社とかだと起業している方の割合が高いので、情報収集という面ではで多少メリットがあると思いますが。
ただ起業したいなら幅広い「WEB広告系営業」などの方が社長と接点持ちやすく、就職中の顧客から起業後そのまま同じ仕事もらえたりするので、就職しておくメリットがあると踏んでます。
今回は以上となります。
ご質問がある方はコメント欄へ!
それではまた明日!